小学生の2〜6年生の男女5人の学校生活で、発作が起きた時や薬の副作用などが原因でいろんな問題が起きる。先生や級友などと一緒にどうしてそうなるかを理解し、どうやったらうまくやって行けるかをさぐる。事例の漫画の後、てんかんの仕組みや気を付ける事などの概要が紹介される。巻末には参考資料・WEBサイトなども。
知り合いのお子さんがてんかん、というので、どういう風になるのか興味をもった。てんかんの発作というと、体が痙攣して硬直する発作しか知らなかったが、この絵本を見て、発作にはいろんな出方があることを知った。もし、てんかんの発作の事を知らなかったら、学校や職場で誤解されるだろう。
てんかんでなくても、薬を飲んだり、病院に行ったり、他の子と違う事をするとからかわれたり、いじめられたされがちだ。私は長年持病があるので、健常者から奇異な目で見られたり、病気の症状を「怠け」「言い訳」などと誤解されて迫害を受けた経験があるから、この絵本に出てくるてんかんの子の気持ちがよくわかる。
でも、もし、自分が病気をせず、全く健康で、病気や障害の事を知らなかったら、きっと彼らを理解しようとせず酷い事を言うだろう。
この絵本では、てんかんのいる子の教室全体が理解する努力をし、全員が好意的に受け取り、協力している。現実は、そううまくいかない事も多々ある(知り合いのお子さんは、いじめられていた)が、よい事例を目標に取り組む事は価値があるはずだと思う。
てんかんを始め、全ての病気や障害について正しい理解が広まり、生活しやすい社会になって欲しい。