「あらしのよるにスペシャル ひとりぼっちのガブ」 自信を持っておすすめしたい みんなの声

何冊か読みましたが、この話が一番グッと来ると思いました。信じられる友達が欲しい、ガブのその言葉に私は涙が止まらなくなりましたが、お母さんはちゃんと見てくれていたので、ガブは救われたと思いました。私も子供にとってこんな母親でありたい。

あの「あらしのよるに」の番外編。
オオカミのガブとヤギのメイの、命を超えた愛情の崇高さに感動した、あの名作シリーズの、「何故？」に応えてくれるスペシャル版です。
オオカミのガブが、どうしてヤギのメイと仲良くできたのか？
ガブの、オオカミとしての野生を、どうして愛情で超えられたのか？
それは、やはり子ども時代の育ち方。
お父さんオオカミが、群れを守るために戦って死んだあとの無力感。
やさしさがわざわいして、仲間からは下に見られ、仲間外れになったガブ。
孤独に生活するガブは、本当に信じられる仲間が欲しかったのです。
「あらしのよる」シリーズを読んだ人には、ナットクの一冊です。

オオカミとヤギの友情を描いた「あらしのよるに」シリーズは完結しましたが、
主人公のオオカミ、ヤギの幼少期エピソードがスペシャル版となったのです。
今作は、オオカミのガブ編。
尊敬できる父を亡くしたガブは、父の代わりもしようと必死の母の厳しいしつけに反抗します。
しかし、仲間の中とて、序列があり、戦うことを強制されるのです。
それを嫌うガブはいろいろ抵抗しますが、結局は群れから疎まれてしまうばかり。
でもそんなガブをわかってくれる存在もいたのです。
序列を気にせず、戦わずにすむ、「本当に信じられる友だちがほしい」
というガブの叫びが心に響きます。
だからこその、本編での友情へとつながっていくのですね。
嵐の夜に、足をくじいていた訳も納得です。
何より、両親の育みが、ガブの性格に大きく影響していたこともわかります。
反抗期のお子さんをお持ちの大人もぜひ、一読していただきたいです。