てのひらを たいように(フレーベル館)
歌うと元気が湧いてくる!
ぷっくり ぽっこり(偕成社)
穴に指をいれて、ぷっくり〜ぽっこり! 新感覚のあかちゃん絵本!
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『長くつしたのピッピ』で有名なリンドグレーンは、荒唐無稽な話や、スウェーデンの子ども達の日常を丁寧に描いた話が有名ですが、ファンタジー作家としても卓越しています。 リンドグレーンの描くファンタジーは、弱いものに対する視線がとても優しくて、悲しい結末だったとしても必ず読者が納得できるだけの救いがあるのです。そしてなんといってもお話自体がとても美しいのです。 このお話も、現実の世界ではもう一生歩けない少年が、夕あかりの国では何でもできて、それが「あたりまえのこと」なのです。 少年は「一生歩けない」という現実から逃れることは出来ませんが、夕あかりの国というもう一つの世界を持つことによって「なんでもできる」という開放感と自由を得ることができたのです。 苦しい現実から空想の世界に逃げるのではなく、しっかり地に足をつけたファンタジーです。現実をきちんと踏まえているからこそ、ファンタジーとしての輝きがある絵本です。
投稿日:2006/04/13
5歳前の娘は「ふしぎな国だね〜!」と、感嘆していました。 子どもの心への強い思いやりがしみ通った作品と感じました。 夕あかりの明るさも暗さもあるトーンの中、見えるか見えないかの不思議なもやがあるからこそ、そのふしぎな雰囲気を味わえました。 ヨーランはじめ、現実だけでは心がもたないだろう気持ちにいる子ども(大人も)はいないかとさがして「夕あかりの国」へ誘ってくれる’おじさん’や’かざみどり’の存在は、きっと、多くの子どもたちの心を支えてきたんだと思います。しかも1日だけではなく、あしたも迎えに来てくれるんです! すこし背伸びした選択だったかと思いましたが、4歳なりに心に響くものがあったようです。
投稿日:2016/11/04
疲れた時、何もする気が起きない時、とても癒される絵本です。 現実の世界が厳しくても、夕明かりの国があるから大丈夫。 そこではなんでもできるんだから。 夕明かりの国では、なんでもないことだよ。 美しい薄紫の世界で、リリョンクバストさんのおうちだけ明るい日が差しているのが印象的です。 夕明かりの国で癒されたら、現実の世界へ戻って頑張れる気がします。
投稿日:2008/02/20
リンドグレーンの作品の中では、特別な雰囲気をもったお話です。病気で歩けなくなり、ベッドですごしている主人公が、ある日、夕あかりの国へ空を飛んで出かけていきます。 夕暮れの一瞬の時間がもつ不思議な雰囲気は、現実と不思議の国を混在させる力を持っているのでしょう。空を飛ぶことだって出来るような気がします。 親子でのんびりしているときに、ゆったりとした気持ちで読みたい絵本です。
投稿日:2006/09/30
歩けなくなってベッドで過ごすヨーランの夕あかりのひととき。 リリョンクバストさんという不思議な人の誘いで、 何でも「だいじょうぶ」という夕あかりの国へいくのです。 夕あかりのほんのわずかなひととき、その愛しい時間がいいです。 ふさぎこんでしまうような運命のヨーランにとって 「夕あかりの国では何でもだいじょうぶ」と言ってもらったことが どれだけ生きる勇気となったでしょうか。 少し哲学的なところもありますが、 純粋に夕あかりの国での体験を楽しんでください。 空を飛んだり、電車の運転なんて素敵でしょう? 『長くつしたのピッピ』で有名なスウェーデンの作家リンドグレーンの作品。 スウェーデンの地名や夕あかりの情景が織り込まれ、絵も美しい絵本です。
投稿日:2005/05/21
足の悪いヨーランは、つい最近、もう一生歩けないことを知り、とても沈んでいました。するとそこにリリョンクバストさんという小さなおじさんが現れて、ヨーランを不思議な旅に連れ出してくれました。それ以来、毎日夕暮れどきになるとおじさんはやって来て、ヨーランを「夕あかりの国」に案内します。その国では、ヨーランは歩くことができ、何も心配することはなく、電車やバスの運転をしたり、美味しいごちそうを食べたり、何でもできるのでした……。 「だいじょうぶ、夕あかりの国では、なんでもできるんだよ」という一言がとにかく印象に残ります。こういう一言は、子どもにとって真の救いになる言葉です。そこは、つらい思いをしている子どもたちが訪ねる安らぎの場所なのでしょう。 読後、ヨーランは自分の足のことを知ったとき、とてもショックだったと思うよ……と息子に話すと、「でも、死んでしまったわけじゃないから、何だってできるよ」という反応。自分がそうなったら、適応するまですごくつらいと思うけど……と続けると、「生きているんでしょ、なら大丈夫」と非常に積極的な答えでした。これは、くよくよ落ち込まない(おめでたい)性格である息子独自の感想なのかもしれませんが、いつも感性に訴える感想をつぶやく彼にしては、さらっと前向きで驚きました。この作品は、つらい体験をしている子どもに希望を与える作品(わたしの感想)であると同時に、生きている限りできないことはないという前向きな気持ちを示す作品(息子の感想)であるのかもしれません。 絵本自体、リンドグレーンのお話を絵本化したものですが、イラストがすばらしく、完璧に成功している例だと思いました。絵本としても完成度の高い作品です。夕あかりというイメージにぴったりの、落ち着いた夕暮れ時の描写が絶品です。
投稿日:2005/03/27
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