うさぎのポコットとラピは、かわいい子うさぎがほしくて、毎日神様にお祈りをしていました。
「神様、心の優しい、お耳がピーンと長いかわいい赤ちゃんが、はやく生まれますように。」
そして、ヒラヒラとふりそそぐさくらの木の下で、ラピは、空の神様にお祈りをしました。
「どんなくるしいことも、つらいこともガマンします。だから、かわいい子うさぎをさずけてください。」
ところが、ある日、突然ポコットが、旅に出ると言い出します。
なんでも願い事がかなうという金色の魔法のにんじんを、どうしてもさがしにいくというのです。
子供ができないうえに、ポコットがいなくなるなんて、ラピがかわいそう。
なんて、切ない話だろうと思いました。
ところが、ある日、ラピは神様が赤ちゃんをくださったことに気がつきます。
そして、かわいい子うさぎが生まれました。
さくらの花びらの色をして、目は、澄んだ空色をしていました。
ポワンポワンと名づけられた子うさぎは、その容姿から、ほかのママうさぎたちから嫌われます。
当然、友達もできません。
さくら色の体がいけないのなら、ごしごしあらえば、とれるかもしれない。
ポワンポワンの気持ちを思えば、とても悲しくなりました。
でも、ラピはポアンポアンが大好きだし、ポワンポワンもママが大好きだから、こわいものはありませんでした。
ある日、ポコットが帰ってきました。
ポコットの手には、魔法のにんじんが、キラキラと金色に輝いていました。
ポコットとラピは、なにをお願いするか考えました。
二人が導き出した答えは・・・
切なくて涙が何度も出そうになりましたが、最後は幸せになってホッとしました。
みんながやさしくなれば、悲しい思いをしなくてすみます。
ラピたちの願いが、世界の大人、子供達にも通じますように。