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きみとぼく

きみとぼく(文溪堂)

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世の中への扉 福島きぼう日記自信を持っておすすめしたい みんなの声

世の中への扉 福島きぼう日記 作:門馬 千乃 門馬 健将 門馬 海成
絵:篠崎 三朗
出版社:講談社 講談社の特集ページがあります!
税込価格:\1,320
発行日:2012年03月15日
ISBN:9784062175395
評価スコア 4.5
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みんなの声 総数 3
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  • 子どもは成長する

     文部科学省の調査によると、東日本大震災の影響で転校した小中高生や幼稚園児は2015年5月現在で1万9522人だという。
     そのうち、一番多いのは福島県で1万3906人。
     今だに東電の福島原発事故の影響が続いていることがこの数字でも読みとれる。
     震災が起こった3月11日は季節的には卒業シーズンだった。
     小学校を卒業した子どもたちは離ればなれになって、新しい町の中学校に通い出したはずだ。
     あれから5年が経って、その子たちも今では高校生になっている。
     5年とはそんな時間の長さなのだ。

     この本はあの日福島県の南相馬市小高区に住んでいた3人の姉弟の避難生活を彼らの日記形式で綴られたものだ。
     3人の住む南相馬市小高区は福島第一原発から20キロメートル圏内。
     震災と原発事故があった時、門馬千乃(ゆきの)さんは小学校の卒業をまじかに控えた6年生、弟の健将(けんすけ)くんは4年生、その弟の海成(かいせい)くんは2年生。
     震災の日の日記に千乃さんは「もしかして、ここで私たちも死んでしまうのかなと思った」と記している。
     おそらくこの日の東北の子どもたちの多くがそう思っただろう。
     しかし、この3姉弟たちはその後原発事故の避難を始めることになる。福島市から会津若松市へ。飼っていたペットの犬も連れていくことができなかった。
     彼女たちの父親は市の職員だったので一緒に避難すらできない。
     そんな中で3人の姉弟は知らない土地で揺れ動く思いを日記に綴っていく。

     彼女たちの日記の記述が明るくなるのは、新しい学校になじみだした頃だ。
     特に目を見張ったのは末の弟海成くんの日記かもしれない。
     最初はほとんどあった事実だけを記していた海成くんだが、9月ぐらいになると文章自体がしっかりとしてくる。
     9月12日の日記から。「小高の家からひなんしてから半年がたちました。あいづでの半年間は、短く感じました」
     子どもの成長の速さに驚いてしまう。

     この3人の姉弟があれから5年どう成長したのかわからないが、きっと素敵な中高生になっているのだろうな。

    投稿日:2016/03/13

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  • 東日本大震災で、福島原発の被害を受けた子どもたち。
    父親と離れ、避難所生活を日記として記録しています。
    被害者であるのに、被災者であることの疎外感、放射能被害という風評被害による拒絶を感じるけれど、自分たちの生き方に前向きであることに、タイトルにもある希望を感じました。
    災害にあったということは、優遇される免罪符ではなく、非日常をいかに日常生活とのギャップを乗り越えるかという課題を与えられたことなのかもしれません。
    三人の兄弟の日記がとても伸びやかなのに感動しました。
    こんな子どもたちが未来を作っていくのだと思うと、震災被害は決して絶望で終わらないのだと思います。

    投稿日:2016/02/10

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  • 「3きょうだい」の避難生活日記

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子20歳、女の子15歳

    この本は東北大震災後、福島第1原発から20キロ圏内に住んでいた3きょうだい〈姉・弟・弟〉の震災後の日記です。それが毎日新聞福島版で連載されていたものをまとめたのが本書でした。

    子どもたちの目線で、避難生活の大変さ、楽しさ、つらさが描かれています。きっと本当はもっと怖かったり辛かったりしたのかもしれません。
    でも、このきょうだいたちは舞ちにを前向きに元気に生きています。
    なので、この作品はとても生き生きしていました。
    子どもたちの言葉で、子どもたちの感じたことが書かれているので、同年代の読み手にもとても分かり易いと思います。
    『日記』という形態で書かれているので、1章1章がとても短く、文を読むのが苦手なお子さんでも結構スラスラ読めそうです。
    小学校高学年から中学生・高校生のお子さんたちにお薦めします。

    投稿日:2015/06/01

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