ひとりぽっちのうさぎが、友達をつくる話。
2012年刊行。
素敵な絵と、ちょっと繊細でロマンチックと言える話の筋が、乙女チックな印象の絵本。
とはいえ、どうしてこのうさぎには、それまでにお友達と言える存在がいなかったのか?
友達になろう、と言っても、相手にされなかった理由は?
うさぎの過去が気になる。
そんな意地悪い読み方をしてしまった。
子どものころに体験した、保育所や小学校などでは、友達がたくさんいる人と、いない人がいて、見ていると「それなりの理由」があった。
よくわからない理由でいじめの対象になっている、という気の毒な場合もあったが、「わがまますぎて付き合いきれない」とか、過去に嫌なことをされたから近づかないとか、本の言動に由来するものもあった。
住んでいる家や家族に問題があって、警戒して人が近づかない、というのもあった。
子どもは、意外と冷静に、自分の身を守るために、付き合う人を選んでいた。小さいながらも、自分が生きている世界を安全に保つために、実にいろんなことをしてきた。
そんなことを思い出した。
私は変人で、友達がいなかった。クラスにはやはり「訳あり」で友達がいない子どももいた。
それで、お互い、「訳ありの変人」どうしで、つるんで一緒に遊んでいた。
しかし、中学生くらいになると、一人でも行動できることがわかったので、「独りぼっちは寂しいけど、無理に人と一緒にいなくてもいい」と思って、図書館ばかりに行った。
大人になったら、友達がいてもいなくても、それなりに楽しくやっていけるようになっていた。
この絵本を読みながら、友達がいることや、友達ってなんだろう?とか、友達がいないもの同士が一緒になってその後どうなったのだろう?とか、いろんなことを考えた。
考えさせられた一冊。単純な話なのに、深い。
(勝手に深読みしただけだが)