パキスタンの工場で債務労働を強いられていたイクバルという少年が、自由を求めて立ち上がります。
『イクバルの闘い』という児童書もすでに出版されているので、有名な実話であるようです。
あとがきを読むと『イクバルの闘い』は実話を膨らませて書いてあるので、実際のイクバルとイクバルを助けようとした人々、イクバルに影響を受けた子どもたちという事実の方に目を向けて取材したのがこの本らしいことがわかりました。
今の豊かな日本では考えられないことですが、貧しい後進国では児童が、親の背負った借金の肩代わりとして、売られるようにきつい労働につく場合があります。
そのほとんどの子どもたちはそれを仕方がないと運命を甘んじて受け止めているというのか、教育を受けていないので自分の立場がおかしいことにも気づかずに労働を強いられているのです。
1人の子どもの勇気がいろいろな人の思いを突き動かしていく、1人でも自分の境遇を変えていくことができる。
実話だけに、その動きにはずっしりとした重みがありました。『イクバルの闘い』という本があるのは知っていましたが、実際には読んだことがなく、この本を読んで家に買ってあった『イクバルの闘い』を読んで、イクバルの不屈の精神に感動しました。