【あらすじ】
東京の空に空飛ぶ円盤が現れた。さらに、宇宙人に誘拐された人まで発見され、世界各地にも同様の事件が発生し、世間は大騒ぎになる。少年探偵団の小林団長、ならびにチンピラ別動隊の面々は、これらの事件の真相を解明すべく活動を開始するが…
宇宙人と少年探偵団との対決が始まる。
※1953年、少年向け推理小説の9作目として雑誌に発表された作品。
(光文社「少年」)
【感想】
宇宙人が発見され、世界各地にUFOや宇宙人騒動がまここったというから、怪人二十面相シリーズとは違う作品かと、つい思ってしまった。
80年代のオカルトブームのような、怪しい雰囲気があって、当時のアヤシイテレビ番組をいろいろ思い出した。
挿絵があるものの、宇宙人の様子などを自由に空想できる余地があり、楽しい。宇宙人が地球人を誘拐しようとする場面など、ややコントみたいな展開になっているような気もしないではないが、登場人物たちは真剣にやっているので、温かく見守った。テレビや新聞などにも、宇宙人来襲のニュースがでかでかと出てしまったりして、話がどんどんデカくなっていき、収拾がつかなくなるのでは?と思ったが、さすがは乱歩先生。最終的にはきれいに収まっていた。
SFと思いきや、最後はちゃんと探偵ものとして落ち着いたので、私も落ち着きました。説明しがたい魅力と面白さがある物語。