私がはじめてこの本に出会ったのは、もう10年以上前、アメリカの本屋さんでした。まだ日本語訳が出る前だったと思います。
表紙の綺麗さに思わず手に取り、中に目を通してかわいらしいお話だなーと思ってすぐに購入しました。
当時はまだ結婚もしていなかったため、純粋に自分のために買った絵本です。
その後結婚し子どもが生まれ、この本の日本語訳本に図書館で再会。
久しぶりに読み直してみると、、、やはり、自分の立場が変わり、年齢を重ねると、同じ本でも感じ方が違うんだなということを実感しました。
当初私が思ったのは、、、
苦労せずに手に入れた美しいもの。それを周りに分け与えることで周りと仲良くなれるならなんの惜しいことがあるだろうか。
それに気づいたにじうおは一つ大人になったんだね、ということでした。
今回改めて読み直してみると、にじうおが自分の息子に、そして他の魚達が息子の友達に思えてきて。
たまたま生まれ持った綺麗なうろこ。それは天賦の才能かもしれない。
それを、うらやんだ友達に分け与える必要があるのかどうか。
まして、分け与えないと仲間はずれにされちゃう・・・
それってちょっと不条理なんじゃないかな、って。
でも、どちらの考え方もあると思うんですよね。
「綺麗なうろこ」をどうとらえるか次第ですね。
実際、息子はこの本を読んだときには、「ぼくもウロコを分けてあげたほうがいいと思うよ〜!最初のにじうおは意地悪だったね」と言っていました。
内容もいろいろ考えさせられるお話ですし、とにかく挿絵が綺麗ですので、ぜひ一度手にとって読んでいただきたい絵本です。