シュルヴィッツの作品は絵が見事なのです。
独特な世界の中に作者の思いを込めているのです。
この絵本は少年の雪に対するあこがれを、不思議な街並みに込めました。
灰色に染まった不思議な町と行きかう人々。
雪がふるのを期待している少年と、冷めた大人たち。
それでも、最後には真っ白な銀世界になりました。
この絵本の町にはシュルヴィッツ自身が楽しんでいることがよくわかります。
最初に紹介される街並みは、この絵本の目次のようです。
灰色一色になった家家の中で窓から灯りが漏れている家が2か所。
一つが少年の住む家で、一つは「ゆきはふらないでしょう」と語るテレビのある家。
あとは町の中にお話の登場人物がすでに紹介されています。
ひょろながぼうしのおじさんも、おしゃれがさのおばさんも、大きなラジオを抱えている男の人も、話に出てこない人々も紹介されています。
わずかな家並みの中に本屋さんが二つ。
その一つはマザーグースの世界。
マザーグースの世界からいろいろな仲間たちが雪の世界に飛び出してきました。
「MORE BOOKS」の看板にはどんな人たちがいるのでしょう。
考えていたら町は雪に包まれてしまいました。
繰り返し絵を楽しめる絵本です。