ある朝、カモの母さんと小ガモ5羽が、暮らしている池からお散歩に出かけました。一列に並んで道路を歩き、町に向かいます。ところが、とても小さい子ガモたちは、道路の排水口のふたの隙間から次々に下に落ちてしまいました!
大丈夫でしょうか?大丈夫!助っ人が次々に現れましたとも!
とても単純なお話です。でもその単純なお話を読むことで、「わくわく」「はらはら、どきどき」「あー、良かった」と様々な感情を味わうことができ、最後は幸せな気持ちになれます。画面は大きく、その大きさを活かして絵が描かれているので、ある程度の人数への読み聞かせにも向いています。
ストーリーが進む街中の場面では、カモや人間たちはマンガチックと感じられる程、とても表情豊かに描かれていますが、最初と最後の池の場面はまたちがった雰囲気。とても美しいです。
この話は、2000年、ニューヨーク市のモントックという町で本当に起こった話だそうです。絵本のストーリーにはありませんが、奥付上の説明によると、この出来事の後すぐに、ニューヨーク市は排水口の格子をせまいものに取りかえたとか。粋な計らい、「すぐやる」っていうところがすばらしいですね。助っ人たちの優しい気持ちと、カモたちの愛らしさが絵本になりました。