カンボジアの普通の人々の暮らしを写真で紹介する絵本。
高床式の家、水田で農業をする人たち、お寺や市場、家庭の食事の風景など。観光地ではないカンボジアの様子。巻末には国の歴史やあらまし、通貨や経済などをまとめてある。
刊行されたのが2007年のため、今ではずいぶん変わってしまった部分もあると思うが、素朴でのんびりした雰囲気が温かい印象。ポルポト派による大量虐殺の後、復興していく様子や、国際的な支援の様子などもしっかり取材されており、子ども向けの本だが大人もしっかり社会勉強になる一冊。
伝統的な踊りを習う少女たちの妖艶な美しさ、素晴らしい笑顔の人々が印象に残る。何をしていても、その一人一人の所作が美しく、丁寧に生活している様子がうかがえる。ところどころにそこで暮らす日本人の子どもたちの作文が掲載されているが、素朴な驚きや喜びにあふれており、質の良い生活体験ができているようだ。
心穏やかになり、自分の生き方を考えさせられる一冊。真面目に生きて行こうと反省する。