『The Runaway Bunny』が原題。
すでに、『ぼくにげちゃうよ』の邦訳本がありますが、
新たに訳と絵にチャレンジされたようですね。
題名から、味わいが深まっています。
ウサギの親子の会話なのですが、そのやり取りに親子愛が感じられます。
ウサギのぼうやは、遠くへ行きたくなったのです。
そこでお母さんウサギに「家出しようかな」と打ち明けるのですね。
その答えが素敵です。
「大事な坊やだから、追いかけていかなくちゃ」
もちろん坊やは、追いかけてきたら魚になって逃げると言い返しますが、
お母さんウサギも負けてはいません。
かくして、逃げて、追いかけて、の空想のやり取りが続きます。
坊やの発想も面白いですが、大真面目に追いかけるお母さんの気迫が絵から伝わってきて、
それもまた、子への愛ゆえだけに愛おしいですね。
もちろん、ラストの着地も素敵です。
親子ともに心地よい余韻を残してくれますね。
小さい子にはもちろんのこと、案外思春期の子どもたちにもいいかもしれませんね。
子育て中の皆さんにもお勧めしたいです。