東京駅について、一生懸命に調べて書きました。
という感じの絵本です。
建物の歴史や仕組み、構内の至るところにあるトリビアが満載。
読みごたえはあるのです。
しかし、なんというか、とっても読みにくいしわかりにくい。
すべての漢字に振り仮名があるので、子ども向けなんだとは思う。
でも、大人でも読みにくい。
鉄道博物館の年パスを持つ電車オタク歴6年の息子ですら、食いつきが悪い。
読みにくさの原因について、例をあげると。
冒頭、スレートについての説明。
まず、スレートは瓦であるということを読み手が知っていないと理解できない。普通子どもは知らないでしょう。
しかも、石巻から来たスレートがどこの部分か、絵でわかりにくい。
至るところで、こういった消化不良を抱えながら、ずっと読み進めていく形です。
偽装馬車って何?
子どもだけでなく、大人も知らない言葉を、説明もなく、当たり前のように文章に入れている。これが終始。
分からないものを読み飛ばせない性格なんで、読んでいてつらい。
東京駅に乗り入れる列車の一覧も、なんだか気になる。
スペースの都合ですべてを入れられないのはわかる。
でも、なぜこの電車を、と思う。
子どもが好きな電車やメジャーな電車をきちんと押さえていない。
最後の年表。
蒸気機関車を発明したトレビシック。
実用化したスティーブンソン。
は、鉄道年表には不可欠だと思う。
ギリシアや木のレールよりも。
東海道新幹線開業、北陸新幹線開業、北海道新幹線開業があるのに、
東北新幹線、上越新幹線開業と東京駅への乗り入れ、
長野新幹線開業をなぜ載せないのだろうか。
東京オリンピックはあっても、長野オリンピックはない。
年表も気になることだらけ。
そして、カミナリと子オニのキャラクターは、最後までなじめなかった。
全体的に、読者への配慮不足で、違和感だらけの本だった。
しっかり調べただけに、本として、かなり残念な仕上がりです。