絶版ですか〜、残念です。
絵本のスタイルをとっていますが、字数から言って幼年童話に属するかと思います。
ストーリー的に少々込み入っているところがありますので、最初大人の方が読み、その後お子さんと読まれることをお勧めします。
一人読みのできるお子さんは、読後必ずもう一度読み直したくなると思われる良書です。
迷子の子猫に心ならずも家までついて来られ、さらに家の中まで押しかけられてしまう主人公のウイリアム。
兄姉も飼いたいけれど、飼い主がいたら大変と、お母さんが良心的な提案を子どもたちに伝えます。
この後三兄弟は、警察へ子猫を連れて行くのですが、さすがアメリカ!と思いました。
私なら、息子に付き添って行くでしょう。
子どもたちに役割を与え、責任を持たせ、自分たちで解決させようとするこの親の姿が素晴らしいと思いました。
対応する警察署長もこねこの落とし主たちも、三兄弟に接する時に子ども扱いをしていません。
子どもたちの人格を尊重してくれる大人たちです。
また、優しく寛容で親切な人たちばかりなことも確かです。
一匹のこねこの飼い主が三名もいるところに驚きます。
ここから読者はちょっとした推理力を試されそう。
結果、ウイリアムの望む結果となるのですが、その後まだお話が続き、驚きの事実が判明します。
そして、このお話の締めとして、素晴らしいエンディングへと続いていきます。
本当によいお話だな〜という、余韻の残る作品です。