10歳の息子と読みました。
これまで 『ウェン王子とトラ』 『この世でいちばんすばらしい馬』を
息子と一緒に読んできて、
チェン・ジャンホンさんの織りなす壮大で勇敢な世界観にすっかり
魅了された私たち。
今回も表紙の絵を見て早速とりこになった息子と読みました。
山に囲まれた貧しい村で生まれたサン。
小さいころから山を越え畑仕事にいく両親の苦労を見てきて、
この山をどうしても自分で動かすんだ!と決心します。
サンは特別な子であると信じて疑わないサンのお母さん。
なんとか家族に楽をさせようと必死で頑張るサン。
そんな家族を常に見つめる山々。
サンはどうやって山を動かすことになるのか、
息をつめて見守っている息子は、
本当に絵本の中の世界に入りこんでいるようでした。
そして、表紙にも出てきた勇ましい龍の姿。
サンの、雨にも負けず風にも負けずの強い精神が、
山の中の仙人と龍を動かしたに違いありません。
1ページ1ページ、丁寧に描かれた絵はどのページも迫力がありますが、
特に山が砕かれるページは圧巻です。
翌朝村に戻ってきたサンを出迎えるお母さん。
一晩中、心配しながらもサンを探しに外に出なかったのは、
きっとサンが大きなことを成し遂げていると分かっていたからかな?
そんな、息子を信じていた母親心もとっても伝わってきます。
母子ともに楽しめる一冊です。