得田之久さんの作品は、2010年6月に新版として5冊発刊された「こんちゅうの一生」シリーズが最初の出会いでした。
1970年頃に出版した昆虫絵本の新版なのですが、その精緻な絵と2〜3年観察を続けてから、何とか1冊の本に纏めたという逸話に感銘したものです。
その得田さんの2004年5月の作品で、「てんとうむしどーこ?」と同時発刊となっています。
両作品の共通点は、てんとうむしが登場すること。
細かいことですが、こうしたことって、シリーズ物では大切なことだと思います。
物語は、ありのチッチがおおきなカステラを見つけるシーンから始まります。
仲間を呼んできて、みんなで運ぼうとするのですが、大きすぎて運べません。
それからは、みんなで細かくして列を作って運ぶという良く見るシーンが展開します。
他のシリーズと同じように、穴の仕掛けが登場します。
ありの巣の穴というと、捻った仕掛けではないのですが、逆にそれがとても効果的で、ありの生態をとても分かり易く伝えていると思います。
至極単純なストーリーですが、子供に関心を持って読み聞かせ出来る作品としてオススメします。