村上康成さんの独特の色使いと、生き物のリアルなのに抽象的な絵(?)は、大好きです。
この本で、”ヒトダマ”のような線で川の流れを表現しているのは、さすがだと感じました。
めだかのさんたろうは、めだかの兄弟の仲でも米粒のように小さいめだか。
「いまにみていろ でっかくなってやる」
と、谷川から川へ、そして海へと、旅に出ます。
そして、最後には、とっても大きな魚になるのですが・・・
この結末、さんたろうが大きなクジラの口の中に入ってしまうのです。
そして、
「さんたろうは いちばんでっかいさかなになれた」
とあるのです。
そのページの後には、さんたろうは出てきまでん。
食物連鎖のお話とするにも、唐突過ぎるし、なんだか、消化不良な終わり方です。
せっかく、大きな海へ勇気を出して旅に出たのに、食べられてしまって、”大きな魚になれました”というのは、残念です。
その勇気は、生きてこそ讃えられるものだと思います。
他の方の、感想も読んでみたい絵本です。