「イチからつくる カレーライス」 みんなの声

ドキュメンタリー映画「カレーライスを一から作る」に描かれた関野ゼミの内容をもとに、再構成された絵本。
探検家・関野吉晴（グレートジャーニー）が、武蔵野美術大学の学生に「カレーライスを、一からつくってみないか？」と言ったことから、全てが始まりました。
・カレーライスとはなにか？
・何が必要か？（材料、食器なども育てる・作る・採取する）
・どうやって作るか？（農業、畜産業、陶芸、その他）
チキンカレーを作ろうとしたら、鶏を育てて、と殺して食べるところまで全部やる。一生懸命育てて、とうとう懐いてしまった鶏を殺して、料理して食べる。学生たちは果敢にとりくみ、とうとうやり遂げました。
　生き物を育て、野菜や米なども育てることを実際にやってみて、どれだけ大変かとか、命の大切さとかが、自然にわかってくる学生たちの様子が、尊いと思いました。素直に、いろいろな困難も喜びも受け入れ、それぞれの人が「食べる」「生きる」ということを、その人なりの感性でもって、つかんだのだと思います。

この本は、大人にぜひ読んでもらいたい。
食事を作り与える側の人間が、知っておかねばならない事がたくさん書かれています。
やさしいイラストと文章なので、子どもも読みやすい工夫がしてありますが、まずは大人が、命を大事にするのが当たり前だという見本を示さなければダメ。
食品ロスなどという、愚かなことを繰り返している国に、食べ物を粗末にしている私たちに、未来などありません。

イチからつくるシリーズは、どの本も本当に一から作るものが多いのですが、このカレーライス編は本当の本当に一から作っています。
野菜の栽培に始まり、スパイスの栽培、コメの栽培、お皿も手作り。
そして具材として使う肉もダチョウやホロホロチョウ、ウコッケイを飼育。
ペットのように可愛がっている写真を見て、さぞ後が辛いだろうと思いを巡らせました。

この作品は、グレートジャーニーの関野吉晴さんが、大学生相手に行った講義の内容が作品になったものです。
野菜やコメの栽培体験などは、小学生でもよくやることだと思いますが、一皿のカレーライスのために一年を費やす努力をした学生達を見ていると、何歳になっても体験学習には大きな学びがあるのだということを感じさせます。

関野さんの大きな物の見方をこの本を通して感じることが出来、多くのことを考えさせられます。

同じ題材で、映画や児童書もありますが、
こちらは絵本です。
探検家で医師でもある関野吉晴さんが、美大の授業で学生たちに「イチからカレーをつくる」ことを提案しました。
ルーではなくスパイスから作るカレーを連想しましたが、
野菜、米も手作り。
ここまではわかる。
と思ったら、鳥を育てて捌きます。
塩も手づくり。
お皿も陶器を作るところから。
「イチからってほんとにイチからだったのか」
と驚かされます。
カレーをイチから作るってこういうことなんだね。
と息子と一緒に考えさせられました。