オールズバーグの端正で洗練された絵と、不思議に謎めいたお話がマッチしていて素敵で、読み応えがあります。
やかまし屋の歯医者のビボットの所に、一人のおばあさんが診療に来ます。しかし、おばあさんは、お金は払えないけれど、もっといいものをお礼に、と言って二つのいちじくをビボットに渡しました。
そのいちじくが、なんと「まさ夢いちじく」といって、食べた人の夢をなんでも叶えてくれるというのです。
しかし、彼はそんな話は全く信じなかったのです。しかし、ある日何の気もなく寝る前にいちじくを食べて寝てしまい、とんでもないことが起きてしまいます。
そこで、もう一つのいちじくを食べる前に、自分の夢をコントロールをしようと練習することに・・・。
最後は、とんでもないどんでん返しの結末でびっくりです。
ビボットの飼い犬マルセルが、随所に登場するのですが、台詞のないこのマルセルが、実はキーマンなのです。
嫌な奴のビボットが、最後にギャフンというラストが、読んでいて、すっきりです。
小学校の高学年でも充分に楽しめそうです。