「サンタクロースっているんでしょうか?」ニューヨーク・サン新聞社にこのような質問を送った8歳の少女への答えが、この本の内容です。
それから100年近く経ち、私もそのくらいの年頃に、母から勧められて読んだ記憶があります。
今、改めて読み返し、私のサンタクロースへの答えとほぼ同様の内容であることに驚きました。
語り口は子どもへ向けた丁寧ですっきりとした言葉なのですが、内容的には非常に観念的で、子どもには難しく感じられるのではないかというような文章です。
評価が低い方のご意見でも「子どもにはピンとこない」というような内容のものが見られます。
私も当時、どの程度理解できたのか分かりません。
しかし、今の私のサンタクロース観はここから来たのかもしれないと思いました。
難しくても、核心のメッセージは、きちんと子どもへ届くものだったのですね。
この文章を書いた記者の方の優れた表現力につくづく感銘を受けます。
この本を今読み、感想を書いているのは「大人」ですが、このような理由で、年齢選択は当時の私の年齢、8歳にしておきます。
赤い布張りの小さな絵本。挿絵もとても美しい本です。
いつまでも手元に置いておきたい宝物のような一冊です。