西アフリカで、太鼓を叩いて人々が集まり踊る様子を描いた絵本。
見返しに延々と踊る人が、一人ひとり個性的に描かれて列を成している。本文ではない、おまけの部分の絵だが、非常に印象的だ。
アフリカに行ったことはないけど、テレビやインターネットで見る風景と、音楽、読んだ本、聞いた話などから連想する風景と一致した。
現地に行ってもいないのに、行ったような気がしてきた。
本当は紙の絵本で、ここには絵があるだけなのに、太鼓の音、人々の声、風の音、動物の鳴き声などがずんずん聞こえてくる気がしてきた。人々が力いっぱい踊り、大地を踏みしめて、砂埃が立ちあがり、その埃や土の匂い、汗の匂いまでしてきそうな気がしてきた。
文字は少ないが、大事なことが全部書かれていて、余白の部分や、絵の部分からたくさんのメッセージが伝わってくるような気がしている。
西アフリカのどこかの村で、祭りにでも参加したような気がしてしまう絵本だ。音を感じるなんて、不思議な力があるなと思った。