このお話では、“力持ちのまゆ”でなく、“小さな優しい女の子のまゆ”の一面をうかがい見ることができます。なんだか新鮮!
迷子のうりんこぼうやのおかあちゃんになってあげることにしたまゆ。うりんこのためにサラダを作り、うりんこがおいしそうに食べるのを見て、自分のおなかがぐうぐう。
「おかあちゃんて、おなかがへるなあ」
今度は、うりんこをおんぶして、子守唄。
「おかあちゃんて、ねむたいな」
娘は、まゆがつぶやくたびに、くすくす笑っています。まるで、「お母さんって、そんなものなのよ」とでも言っているように、先輩顔で!
うりんこぼうやといっしょになって、どろんこ遊びをしているまゆは、子どもらしくて、本当に楽しそうですね。そこへ現れた“でかでかイノシシ”・・・大迫力です!
うりんこぼうやが、イノシシ母さんと帰ってしまうと、急にやまんばかあさんが恋しくなったまゆ。やまんばかあさんの待つ三本杉山までとんで帰ります。全身どろだらけの真っ黒まゆを、ぎゅっと抱きしめるやまんばかあさんを見て、母の大きな愛を感じました。私だったら、まず「たにがわへいって きれいにあらって」、それからぎゅーっ・・・になってただろうな、きっと。
まゆの最後のセリフもかわいらしくて、いっぱい抱きしめてあげたくなっちゃいます。
「おかあちゃん、あのね、あたし、きょう、おかあちゃんだったんだよ」