ファッション誌等を見ると、うんざりするくらい、
「お洒落は引き算」だとか、「見えない所こそお洒落するべき」だとか書いてあり、確かにその通りなのかもしれないけれど、この本を読むと、いつもそんな事はとるに足らない事だと思わされます。
この物語に登場するうさぎさんは、真っ白なきれを手に入れ、真っ白な「わたしのワンピース」を作ります。
それも、黒いレトロなアンティークミシンで。
お気に入りのワンピースを素敵なミシンでタタタッと作る時点で、もうすでに誰にもマネ出来ないお洒落だな〜、と関心。
でもそれだけではありません。
なんとそのワンピースは、通った場所や触れた場所と同じ模様になるのです。カメレオンみたいに。
なんとシンプルな発想!おおいに素敵ではありませんか。
第一、こんなに楽しいお洒落は世界に二つとありません。
他人のファッションチェックや流行等本当にどうでもよくなる、怖いもの無しな気持ちになれる所がまさにファンタジーです。
うさぎさんは、今日もきっとどこかで、自分だけのお洒落をたのしんでいる事ではないでしょうか。