「よじはん よじはん」 みんなの声

誰でも時計を持っていて、携帯見れば時間も分かって、アラームもあって、TVもあって…。今の時代ではもう失われたこのほのぼの感。何とも言えず心が穏やかになります。
「よじはん　よじはん…」と忘れないように言いながら帰る女の子。
ほんとにいじらしくて胸がきゅーっとしますね。

　ほのぼのとした絵と、主人公の小さな女の子の目線で描かれたお話が、とってもマッチしていています。

　題名の「よじはん　よじはん」が、絵本の中で何度も繰り返し言われているけど、ゆっくりしたお散歩の後にお母さんに時間をちゃんと伝える所が、なんとも微笑ましいです。きっと、子どもの時間感覚ってこうなんでしょうね。

　時間に追い立てられて生活している自分の都合で、子どもたちにも「早く早く」とせかしていることが多いと思います。いつも、待つことの大切さを考えているのですが、なかなか実行できなくって･･･。この絵本のように、同じ時間だけどゆっくりと流れていく時間を親子で過ごしたいですね。

読後、なんともいえないほわ〜とした気持ちになりました。
息子もくすっと笑えたらしく、読後ニコニコでした。

この絵本、何より最後の展開がいいですね。
主人公の女の子は怒られるわけでも突っ込みをいれられるわけでもない。
そんなところに温かさを感じてしまいました☆彡

絵本の雰囲気で楽しめるお話ですが、
時間の感覚がある一定そなわった年齢になったら読むのがいいのではないでしょうか♪

この本を読み終えた時、きっとだれもが笑顔になっているでしょう。おなかの底から、気持があたたかくなります。

女の子が、にわとりやありの行列に見とれる様子は、うちの子供と重なります。子供はみんな同じなんだなと、ほほえましくなります。雑貨屋さんののぼり口にから声をかける後ろ姿もかわいいです。いつも聞きにきているのでしょうね。雑貨屋の商品もいろいろあっておもしろそうです。

女の子が家に帰ってきたときの雑貨屋さんの表情がなんともいえません。「おやおや、時間はどうしたんだい」という顔をしています。
女の子が得意満面で「よじはん」という顔と、それを聞いたときのおかあさんの顔がとてもいいです。
お話の内容とぴったりのあたたい絵に心がなごみます。女の子の民族衣装もかわいいです。

学生のカップルやそれをひやかす少年たちが、いいアクセントになっていておもしろかったです。子どもと私が大好きなかぼちゃが表紙に描いてあるのもうれしかったです

表紙の素朴でのどかな雰囲気が気に入っててに取ってみたら・・・
思った通り！静かでのんびりとした時間がそこにはあったのです♪

息子もこの女の子の様なことは日常茶飯事で、でもそんな様子も取っても可愛いし微笑ましい♪
読みながら、あるある！！って叫んじゃいました （＾◇＾）

なんてのどかなんだろ〜って、毎日時間に追われてるのが
つまらなく感じてしまうように
ゆっくり深呼吸したくなりますね！
ラストのお母さんの様子も優しさあふれて、良い雰囲気！
「よじはんよじはん」の響きも繰り返し言葉でたのしくなっちゃいますね！
そういう生活、憧れるな〜

お母さんに時間をたずねて来てと頼まれたのに、ついついかわいい好奇心がいろんなことに誘惑されて、
その時間よりずっとずっと経ってから家に帰り着いた女の子。
なんと、時間をたずねに行った先はお隣だったのですね〜
逆に言ったせいで、回り道をして帰ってきたのです。

子どもにはほんとによくあることです。
その子どもらしさが普通のしあわせの象徴として書かれています。

深い意味が読み取れる子どもにも、この少女と同じ好奇心のある歳の子どもにもおすすめです。

あはは。思わず笑いが漏れてしまうラスト。
ちゃんと説明して読み始めたにも関らず、娘はちょっと意味がとりきれてなかったかと思いますが、オシロイバナの蜜を吸いたいなど、絵の緻密さに惹き込まれていました。
私は子どもっぽい女の子の行動がほほえましくて。

日もとっぷり暮れた頃に４時半だと帰ってきた娘を見るお母さん、私は「あっそ。今頃何言ってんだい、この子は」と、女の子の行動を見抜いた上で半ば呆れ気味なのかなととったのですが、やはり私もこの親子の間がすごくいいな〜と思いました。
だって女の子の家、あのよろづ屋さんから見えてるんですものね。それも女の子が辿ったのと逆方向に。

この絵本はパッと見、とてもかわいい低年齢向けのものと思いました。
でも、訳者の後書きを読んで、ただかわいらしいだけの絵本ではないことがわかりました。
実際、作者がこのお話（本当は詩だそうです）を書いたのは、１９４０年頃、日本人による朝鮮半島の植民地時代だったそうです。民族弾圧を受けながらも、朝鮮（韓国）で育まれた民族の心をうたったものでした。
その詩に、今をときめく韓国の絵本作家「イ・ヨンギョン」がイラストをつけた時、時代背景を２０年ばかり経った後をイメージしたそうです。
（その２０年間は植民地支配と、民族同士の朝鮮戦争がありました）

もともと、日本と韓国は土地柄も似ているし、大元の発信地がどこであるかはおいておいても、似たような伝承が多く残っています。だからこそ、日本人の私が見ても、少し前の子供のころを彷彿させるようなこの世界に、とても懐かしさを覚えました。

とても優しい文章で、小さい女の子の夕方のちょっとした出来事を語っているこの絵本ですが、この絵本に込められた思いは、とても大きく重たい気がしました。
私はできたら、たくさんの日本の人にこの絵本を読んでもらいたいです。

おとなりのおじさんに時間を聞いたら
よじはんだって。
おかあさんに教えなきゃ！
あ！ありさんだ。ちょっと見ていこう
・・・
なんていう子ども独特の寄り道がかわいいお話。
忘れないように歩きながら“よじはんよじはん・・・”と呟くけれど次々に何かに気をとられて立ち止まってしまう女の子がカワイイです。
見た目もおでこが広くてとても愛くるしい＾＾
ながーいお散歩から帰ってきた女の子を迎えるお母さんもおおらかでゆったりした読後感でとても良いですね。

時間をとなりのうちに聞きに行くだけの用事のはずが、とっても長いお散歩になる。用事を済ませた帰り道に、あれもこれもと興味をひかれ寄り道してしまう主人公の女の子の気持ちが、「よじはん　よじはん」というつぶやきとともに伝わってきます。とても愛らしい本です。