詩集絵本です。説明によると詩集「のはらうた」などからの転載の詩もあります。たとえば、水音をテーマにした「おと」という詩では「ぽちゃん ちゅぴ じゃぶ ざぶん ばしゃびち」など、色々な音で表現されています。大きい音、小さい音、ささやかな音、ちょっと迷惑な音など、音の世界がこんなにも豊かであることに驚きました。
「ゆきの原」での雪がふる様子は「ふるはらり ひらふわり」という表現で、リスの上に雪が柔らかく降り積もっていく様子が描かれています。
ちょうどミニシアターを見るように、ページごとに自然の世界が広がっていきます。工藤直子の描く自然は、普段私たちが見落としているような小さな自然の姿です。それは、ありがひまわりを見ているという風景だったり、リスが雪を見あげている姿だったりと。
表紙がたぬきの子どもたちが走っているかわいい絵(絵はいけずみひろこ)だったので、息子が物語絵本と勘違いして借りたのですが、たまには詩集絵本というのも、いろいろな言葉に出会える機会としていいなと思いました。