わたしも子供のころクリスマスの夜に急行「北極号」に乗ったのかもしれない。ただ大人になって夢かうつつかわからない急行「北極号」の出来事を忘れることにしたのかもしれない…主人公の男の子が大きくなっても鈴は聞こえるけど、他の人が、妹のサラでさえも聞こえなくなったように。
雪の中に走る黒い機関車「北極号」、外の寒さと対称的な温かそうな中の様子、森を行く狼の群れ、子供たちを出迎えるこびととサンタ、そして帰りのようす、読んでいて懐かしいような、過ぎてしまった子供時代を思い出してあの頃に帰りたい気分にさせます。
オールズバーグの絵と文もいいし村上春樹の訳もいいのでしょう。わたしもこの急行「北極号」いつまでも乗っていたいです。