山の中の雪だるまは、ずっとひとりぼっちでした。
ある日、森の中の動物たちが、春を探しに降りていく様子を見たり、話を聞いたりして、雪だるまは、ステキな春の様子を思い描くのでした。春のおみやげを持ってくるという動物たちが戻ってくるのを楽しみに待っていました。
春が来たら、雪だるまはとけてしまうのに、どうしてそんな気持ちになれるのと疑問に思った、幼稚園の子どもたちでした。
案の定、とけてしまった雪だるまにがっかりし、そしてとても悲しい気持ちになってしまいました。ところが、びっくりするくらいの嬉しいことが起こったのです。
最後まで読んだ時、年長児の男の子が、
「先生、いいお話だね。」
と、目をウルウルさせながら言ってくれました。
心の中に白い美しい花を咲かせてくれたに違いありません。