夏休み。
たった二日間、一緒にいた女の子。
「なつのおうさま」オニヤンマと遊んだのは、二人しか知らない秘密。
彼女に「ぞうきんしぼり(うでをぞうきんみたいにしぼる)」をしたときに感じたおかし気もち。
駅で別れたときに聞いた彼女の鳴き声。
その声が自分のからだにつきささって痛くて泣いたぼく。
せつないお話です。
このせつなさは、たぶん経験したことがある人にしかわからないのではないかと思います。
それも、しばらくたったときに、「ああ、あのときの気もちと同じだ」といった感じで、思い出されるものだと思います。
だから、小学中学年の子どもたちにでさえ、伝わるかどうか、自信がありません。
でも、こんな経験を、子どもたちは多かれ少なかれ、これから体験していくのだと思います。
うらやましい限りです。