この間、実家に行ったときのこと。娘が突然「編み物をしたい」と言い出し、母が押入れの奥から毛糸の入った大きな袋を出してきてくれました。どれも残り毛糸ばかり。しかも何度も何度も編み直した毛糸なので、色あせて、細くなってしまっています。
でも、この絵本の中のおばあさんと同じように、
「これは、○○ちゃんのカーデガンを編んだ毛糸。こっちは、○○くんのセーター・・・」と、とってもうれしそうに、なつかしそうに話す母。
おばあさんのしあわせそうな顔と、母の顔が重なり、胸がじーんとなりました。
おじいさんと過ごした日々を懐かしむおばあさん。私たちの幼少の頃の思い出に目を細める母。
おばあさんは、その毛糸で肩掛けを編み、母は、孫のリクエストに応えて、小さなバッグを編んでくれました。たった1本の毛糸が、過去と現在をつないでくれているんですね。
とても、とても、あたたかく、しあわせな気持ちになれる絵本です。物を大切にする心も子どもたちに伝えたいですね。