コロナ禍で介護ホームにいる肉親と会えなくなったという話をよく耳にします。
ガラス越しに会っている光景も目にしたりしました。
女優の室井滋さんが文を、絵本作家の長谷川義史さんが絵を描いたこの絵本は、こんな時代に生まれた絵本です。
室井さんは大人の人やお年寄りの人が手を取りたくなるような絵本をつくろうと思ったそうです。
なので、長谷川さんには「線画でちょっと大人っぽく、繊細な線で描いて欲しい」とお願いしたそうです。
長谷川さんの絵を見てきた人には、あれ? いつもと違うって感じるでしょうが、とてもいい絵になっています。
お話はボクの大好きなおばあちゃんがいるホームに行くのですが、会えない日が続くところから始まります。
絵本の中では「コロナ」という言葉は出てきません。
コロナでなくても会えない時はあります。
この絵本は、会えない時にその人のことを思いやることを教えてくれます。
とうとうボクはおばあちゃんと窓越しに会えます。会話は「糸電話」で。
ボクが初めて目にする「糸電話」。
長谷川さんは「そういうアナログなこと、空間、時間をとても大切にする生き方を教えてくれている」と話しています。
室井さんはこのつらい時代に「絵本が明日への希望につながってほしい。会えない人ともつながっているっていうふうに」と、この絵本への思いを語っていました。