表紙絵のたまごからの視線を感じたら、さあ、たまごの語りに耳を傾けようではありませんか。
「めをさましたら」「さんぽ」「あめのひ」の3つのエピソード所収。
冒頭から、上から目線で、私の話をするからよく聞いておくんだよって、
何ともインパクトのあるスタート。
語られるのは、たまごが感じたこと。
早々にマシュマロも加わって、両者の哲学がなんとも説得力があります。
存外に、やる気になれば、いろいろできるものだ、でしょうか。
探検に出かけて、いろいろなアイテムに出会いますが、
鮮やかに論破するところがすごいです。
時計のエピソードに唖然としました。
自分探しのような、平和への手立てのような。
もちろん、問題提起だけで、あとは読者にゆだねられます。
鉛筆画の空気感がその文章に寄り添います。
小学校高学年から大人まで、哲学できるのではないでしょうか。