初めて見たジーン・ベイカー画伯の絵本。
なんだ?これは・・・息をのみ、声出せず、見入る私。
「めぐり めぐる」原題「Circle」、生態系を深く慮る。
それはドラマティックイメージ&ストーリー!
シギ科「オオソリハシシギ」の渡り(越冬地オーストラリア>>経由地中国>>繁殖地アラスカ>>またまた戻り越冬地オーストラリア)が、一人の車イス男の子の思い「空を飛べたらなぁ」をもとに描かれてゆく。
ジーン・ベイカーの画法コラージュ(自然物例えば羽毛、砂粒、樹皮やら布帛など)が、気が遠くなるほど精緻芸術されている。お陰でページを繰る手が止まるのだ、困るほどに。
そして、地球の環境保全という課題を強く感じる。人間の意識、いや本能の行先がどこなのか?という画伯の問いかけだ。自然への畏敬と、本能への威厳、生命への尊厳・・・困難なテーマが祈り込まれているように思えるとさらに手が止まる、アァ困った。
足に負傷を負った男の子の思いは、オオソリハシシギと同じ、いただいた生命を自然と共に活かし切ることだろうか?
小さな地球儀を、もう一度よく見てみようと思う。
ポリフォニープレス社に、感謝。