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宮沢賢治の絵本 オツベルと象」 みんなの声

宮沢賢治の絵本 オツベルと象 作:宮沢 賢治
絵:荒井 良二
出版社:三起商行(ミキハウス) 三起商行(ミキハウス)の特集ページがあります!
税込価格:\1,980
発行日:2007年10月
ISBN:9784895881555
評価スコア 4.22
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みんなの声 総数 22
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22件見つかりました

  • 日常の言い回しに「真っ赤になって怒る」とか「無垢な白」とか「顔色を失う」とか、色にまつわる表現はたくさんあるけれど、はて、それはどういった状態を指すのか具体的に説明しろ、と言われると困ってしまう。

    宮沢賢治の紡ぐこの物語は、ストーリーそのものは大人にとっても難解で、活字を追うだけでは内容がストンと腹に落ちてこない。

    けれど、絵の力が加わるとどうだろう。白い象には柔らかな清らかさを、鼻の穴から黒々とした毛を生やすオツベルには強欲を、赤く群れなす象に怒りを、感じる。
    色の持つ温度や線の強弱が、文字で読み解くよりも直球に、肌感覚にゾワゾワと話の内容を伝えてくれる。
    まさに、絵本だからこその、名作の楽しみ方が、この一冊にはある。

    子どもたちがやがて大人になったとき、自分の力ではどうにもならない事態に出会うこともあるでしょう。そんな時、あの白い象のようにあ「苦しいです。サンタマリア。」とため息をつくかもしれない。けれど、白象に童子が手を差し伸べ、仲間が助けに訪れたように、どんな理不尽な状況にも、救いがきっと訪れるはず。そんな小さな希望という財産が、鮮やかな色彩の記憶とともに、子どもの心の根っこに残っていてくれれば良いと思います。

    投稿日:2014/07/03

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  • 未知なる世界へ

    荒井良二さんが描いた 白い象に惹かれて、手に取りました。
    「懐かしいなあ。教科書に載ってたよね。」と、表紙を覗き込んできた彼。

    しかし、私は初めて読む物語だったので、
    どんな内容なのか、何も分からないままにページを開きました。

    開いた途端に目に飛び込んできたのは、
    画面いっぱいに広がる力強い色彩と、
    宮沢賢治さんの、あの独特な言葉たち。

    「荒井良二さんが描くと、こうなるんだ…。」
    と、隣の彼も、すっかり釘付けになっている様子。

    「この話ね、最後はなかなか衝撃的なんだよ」
    などと言いながら、
    絵本から目を離そうとしません。

    私も物語が進むにつれ、ふたりで読んでいる事を忘れました。

    ページをめくるたびに、宮沢賢治さんと荒井良二さんの世界がぐるぐると混ざりあって
    目から脳に、ダイレクトに刺激が伝わっているような気がしました。

    特にぞうたちがオツベル邸に向かって“噴火”する場面では、
    殺気がページの中からドドドッと溢れ出してきて
    絵本であることを忘れそうになったくらいです。

    絵本を読んでいて、こんな気持ちを味わったことはありません。

    今まで私は、作と絵、両方を同じ作者が手がけている絵本しか読まなかったのですが、
    ふたつの世界が合わさる事で
    誰も踏み込んだことのない、未知なる世界が開かれるのだとドキドキしました。

    投稿日:2014/07/02

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  • 絵と言葉使いが息子のお気に入り

    3歳3ヶ月の息子に図書館で借りました。
    息子も私も大好きな荒井良二さんの絵。

    これも難解な童話ですね。
    オツベルと白い象は何のシンボルなのか。
    なぜ、象なんだろう。そして象なのに「サンタマリア」なんてキリスト教なの?
    インドでなくてアフリカ象?
    オツベルも西洋風(ドイツ風?)の名前だけれど、小麦じゃなくて稲をあつかっているし。
    イメージできる国や時代がごちゃごちゃになります。
    宮沢賢治にとって、そんなことはどうでもいいのとなのかもしれません。
    オツベルのことも、白い象のことも、
    何を象徴しているとか、そんなことではなく、
    今の私には、難しいことは考えずに字面そのまま受け取って
    素直に読めばいいのだと思えてきました。

    そして、荒井さんの絵が本当にすてき。
    私の読んだことのある「オツベルと象」とはまるで別物のようです。
    (ちなみに、私は幼いころ読んだ父の蔵書では「オッペルと象」というタイトルでした)
    象たちの怒りの赤い表現は迫力がありますし、
    なんというか、リアルな表現ではなく、ちょっとおとぎ話風で、
    かつこの無国籍な感じの表現も、荒井さんならではです。


    3歳の息子は、大好きな乗り物本以外は、
    かなりの確立で絵の好き嫌いで絵本の好き嫌いが決まります。
    まだ、文章では全てのストーリーを全ては理解できない分、
    絵をよく見ているからではないかと思われます。
    そして、ちょっと変わった言葉の使い回し(「のんのんのんのん」というオノマトペなど)、登場人物の仕草などで喜びます。
    この本はそんなところで気に入ったよう。
    荒井さんの絵と宮沢賢治の不思議な表現などが、何となく、
    彼の身体に残っていけばいいと思います。


    最後の奥付に牛の絵が描いてある、なんでだろう??と思ったのですが、
    これは牛飼いが物語ったのですよね。

    投稿日:2014/06/30

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  • ある日、オツベルの稲扱小屋に白い象がやってきました。

    白い象はとっても純粋で心優しくて、可愛らしかった。
    オツベルは頭の良い男で、白象を上手く言いくるめて、自分の財産にした。

    白象は足に重い鎖をつけられても素直に喜んで、たくさん仕事を押し付けられても、一生懸命がんばった。

    そんな白象を私利私欲のために朝から晩まで働かせて、ひどい目にあわせたオツベルが許せない。
    当然、オツベルは報いを受けるのですが…

    白い象がだんだん痩せて元気がなくなっていく姿を見るのは、とても胸が苦しかったです。

    荒井さんの絵がいいですね。
    大きな体に鋭い牙、象は怒らせると危険だという事が、十分すぎるほど分かりました。

    怒った仲間の象たちが助けに来る場面は、赤い象がページいっぱいに描かれていて、とても迫力があります。
    それとは対照的に白象の気持ちが表された場面は、優しい穏やかな色合いで癒されます。

    最初、まだ何も知らない白象が小屋にやってくる場面は、これから何か楽しい事が起こるのではないかと、白象の純粋な気持ちになって私もワクワクしました。
    そして十一日の月を見て、白象が「もう、さようなら、サンタマリア。」と呟く所は、不謹慎だけど美しいと思いました。

    この絵本は悲しいけれど、悪い者には報い、優しい者には救いがあって、読み終えた後はスッキリとあったかい気持ちになれます。

    ただ、最期の一文はよくわかりませんでした。

    語りは牛飼いだったので、牛飼いの言葉でしょうか?
    語り終えた後に、飼ってる牛が川に入ってしまったのかな…?

    投稿日:2014/06/25

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  • 怒り 受賞レビュー

    今回、初めて読むお話でした。
    強欲な人間の心が恐ろしいのか・・・象の復讐が恐ろしいのか・・・
    怒りのようなストレートな感情は、絵の表現があるとよりはっきりと伝わってきましたね。
    ハッピーエンドではないのですが、それが宮沢賢治さんの作品なのだと思います。

    投稿日:2014/06/23

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  • 対比 受賞レビュー

    オツベルと象というのは、人間のいろいろな対比なのかなとおもいました。良くにまみれた人間と動物、生き物、また他の人間、、、このお話だけでなく、現代でもそのようなことは多くあります。労働を強いられる部下と会社、自分の思いのままにする親とそれに従う子、人と人、人と物が向き合っていないと、その関係は本当に恐ろしいものになります。荒井良二さんの絵はかわいらしいものばかりかと勝手に思っていましたがものすごい迫力でぐいぐいとひっぱっていく力がありますね。名作なのにそれを感じさせない独自の世界で描き切っています。すばらしい。

    投稿日:2014/06/19

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  • 赤と白の対比が素晴らしい! 受賞レビュー

    オツベルの過酷な支配の中で、けなげに働き、弱っていく白象。

    赤を背景にしたことで、白象の弱々しさが際立ち、宮沢賢治がこの作品に込めた思いが、ストレートに伝わってきました。

    今の社会に通じるものがある内容ですが、もしかしたら宮沢賢治が生きた時代のほうが、今よりもひどい労働環境だったのかもしれませんね。

    -----------------------------

    それにしても『オツベルと象』の世界観を、荒井良二さんが 見事に描ききっていますね!

    編集者松田素子さんインタビューで、ミキハウスの「宮沢賢治シリーズ」は、「基本的にはすべて違う絵描きさんに依頼」されていることを知りました。

    『オツベルと象』を荒井良二さんが描かれたのは、さすがの選択だと思います!

    投稿日:2014/06/14

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  • 独特な音の表現

    荒井良二さんの色鮮やかで可愛らしい絵を楽しみながら、ワクワクと読み進めたのですが、途中からおはなしは思わぬ方向へ。
    「のんのんのんのん」「グララアガア、グララアガア」という独特な音の表現が、恐ろしさを際立たせます。
    真っ赤に描かれた、ページいっぱいの象の群れはとても迫力がありました。

    投稿日:2014/06/11

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  • 名作は何度でも

    • ポピンズさん
    • 30代
    • ママ
    • 神奈川県
    • 女の子7歳、男の子3歳

    オツベルを絵にすると、こうなるのですね。
    中学の教科書にのっていた話で、荒井さんの絵本が出ていると知り、読み返す良いチャンスと思い手にとりました。
    何度も音読した記憶が甦り、リズムはさすが、テンポよく、「ぐららあがあ」など独特の言い回しは頭に残っていました。
    中学の時は、「象がかわいそう」という印象しかなかったのですが、今読むと、表紙の白い象と裏表紙の大きなオツベルの顔に代表されるように、その対比が描きたかったのかとも思います。
    十把から三把に減る藁と、三日の月から十日の月に変わっていく変移など、授業でしたことは覚えていたのですが、絵で表されるとまた色彩がものをいうなと感じました。
    荒井さんといえば「たいようオルガン」や「きいろいバス」で美しい黄色のイメージがあり、物語前半もその基調で馴染みやすかったのですが、後半の怒りを表す赤、色調がガラッと変わって、どきっとしました。
    きっとこの絵本の絵は賢治の名文に伴われて忘れないというくらい、素晴らしいコラボだと思いました。
    名作を、名画家さんで読み直せる醍醐味を堪能させていただきました。

    投稿日:2010/11/12

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  • ざらざらした読後感

    有名な作品だということは知っていましたが、恥ずかしながら、初めて読みました。

    いつの時代にも、どこの国にもいそうなオツベルの強欲さ、醜さがずっしりと心に残ります。鎖で繋がれてさえも、気持ちよく働く白い象がまぶしく映ります。搾取される者の方がよほどか幸せに生きられるような気がしました。

    迫力ある絵によっていっそう強い印象が残りました。

    息子はまだ2歳なので、これを読み聞かせるのはまだまだ先のことだと思いますが、小学生くらいになったら一緒に読んでみたいと思いました。

    投稿日:2010/10/26

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