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戦争をやめた人たち 1914年のクリスマス休戦」 みんなの声

戦争をやめた人たち 1914年のクリスマス休戦 作・絵:鈴木 まもる
出版社:あすなろ書房 あすなろ書房の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2022年05月18日
ISBN:9784751531136
評価スコア 4.77
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  • 戦争の狂気を覆すもの

    ためしよみをさせていただいたのが
    ちょうど『同志少女よ敵を撃て』を読み終え
    主人公セラフィマが撃たんとしたのは
    国家というより女性の尊厳を冒す戦争の狂気だったのではないかと感じた直後でした。

    殺人は悪 誰もがあたりまえに思うことが
    殺さなければ殺されてしまう戦時下では
    よしとされてしまう…まさに狂気。
    けれども人としてそれまで生きてきた中で培われた正しさ、やさしさ、思いやり。
    それがクリスマスソングを耳にし、歌うことでわき上がってきたのでしょう。
    言葉は通じなくてもメロディーは共有できるから
    大切な日を共に祝い、大切な人との思い出を交換しあい
    両軍は戦争をやめた。
    もともとこの兵士たちは‘殺し合い’は嫌だったのかもしれません。

    『せんろはつづく』では、かわいらしい絵面の鈴木まもるさんの絵がリアルで
    それが実話に基づいていることを裏付けするようでした。

    やがて8月が来ます。
    かつての日本を想うとともに
    ウクライナ、ロシア両国民の心の安寧を祈りたいです。

    投稿日:2022/07/06

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  • この星に戦争はいりません。

    この絵本を、戦争を指揮する国の指導者に読んでもらいたい。そんなに簡単なことではないかもしれない。けど、本当の知恵があれば、戦争をやめることはできるのではないか。この星に戦争はいりません。シンプルなことです。

    投稿日:2024/10/27

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  • 今も戦闘の中にいる人へ想いを馳せるひと時にする

    4、5、6、中2年生の読み聞かせに使いました。まず日本もみんなの父母のおじいちゃん達以上の世代は戦争の経験者という話をして、日本も参加していた第一次世界大戦の大まかな流れと状況を説明し、そのさ中に実際にあった話だよという所から始めました。作中のクリスマスキャロルの箇所は歌いながら読みました。最後にウクライナでもパレスチナでも今日も戦闘の中にいる人々がいる事、一応は戦争という選択肢を放棄した日本の私達が今ここで出来る事を考えながら今日も学び生きて欲しいという話で締めました。

    投稿日:2024/05/24

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  • 絵本作家で鳥の巣研究家でもある鈴木まもるさんの、第一次世界大戦中の戦場で本当にあった話を絵本にした、この『戦争をやめた人たち…1914年のクリスマス休戦…』が出版されたのは2022年5月。
     もちろん、これは絵本という出版物として書店に並んだ時で、鈴木さんが実際にこの絵本を描いていたのはそれよりもずっと前。
     あとがきとなる絵を描いている時にロシアによるウクライアへの侵攻が始まったことが、巻末の「制作ノート」に綴られています。
     ウクライナへの侵攻、あるいはイスラエルによるガザ地区での戦闘、世界で消えることのない戦争があって、この絵本は描かれたのではありませんが、鈴木さんの感性が世界の悲しみをいち早く捉えたということかと思います。
     鈴木さんは「制作ノート」にこうも綴っています。
     「戦争することよりも強い、人の優しさと想像力が描きたくて、絵を完成させました。戦争をはじめるのも人ですが、戦争をやめることができるのも人です。」と。

     絵本で描かれている物語はこうです。
     第一次世界大戦さなかのドイツ軍とイギリス軍が向かい合っている最前線の12月24日の夜のこと。
     敵側の陣地から聞こえてクリスマスの歌。「きよしこのよる」。
     それにあわせるように味方の陣地からも歌声が。
     やがて、二つの陣営から兵士たちがともに立ち上がって「メリー・クリスマス」と握手を交わします。
     それからはともに兵士たちが語り合い、最後には手製のボールでサッカーまでしたといいます。
     クリスマスが叶えた夢のような休戦。

     鈴木さんはこの絵本の最後に、こう書きました。
     「この星に、戦争はいりません。」

    投稿日:2023/12/25

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  • 実話だと知らずにこの絵本に出会いました。
    1983年にポール・マッカートニーが『パイプス・オブ・ピース』という曲を出していますが、そのミュージックビデオの題材がクリスマス休戦でした。そっちを先に知っていたので、読み進めていくうちに「おんなじだ!」と。
    ただ、色鉛筆で描かれた柔らかいタッチの絵は新鮮に感じられ、先に見ていた映像にイメージが引っ張られることはなかったです。


    見開き2ページいっぱいに描かれた夕焼けの色づかいがとっても美しくて、何度もここを見返していましたが、ふと、「このページまで色がついていなかったのはその厳しさを読み手に伝えるためなのかな」との思いが頭に浮かびました。

    「おわり」の次のページは、大人が子どもと一緒に読んで考えたいですね。
    谷川俊太郎さんの『へいわとせんそう』を合わせて読むといいなと思いました。

    投稿日:2023/11/11

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  • 本当に戦争をしたくてしている人間っているのでしょうか。
    一部の上層部の方たちだけかも・・と思ってしまいます。
    国のため、組織のため、命令ゆえであり、個人としてわざわざ本心から戦争をしたい人間なんているのでしょうか。
    せめてクリスマスくらい戦争をやめたい・・・これが本心なのではないかしら。
    実話なだけあってリアル感があり考えさせられます。
    多くの方に読んでもらい、平和な地球になってほしいですね。

    投稿日:2022/11/19

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  • 戦争はいりません

    クリスマス休戦のお話は、以前『世界で一番の贈りもの』という作品を読んで知っていました。
    こちらは、「黒ねこサンゴロウ」シリーズや乗り物絵本をたくさん描いている鈴木まもるさんの作品。
    温かさと切なさが、同時にやってくるストーリーですが、鈴木さんの優しいイラストで読むと、穏やかな気持ちで読めました。
    「この星に戦争はいりません」というセリフが、とても印象的です。

    投稿日:2022/10/12

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  • 同じ人間として

    昔の戦争だから、敵の兵士がより近い距離にいる、兵士自身にも辛い闘い。

    何故戦争が起こるのか。
    始まった戦争に駆り出される人達自身も、きっとそんなことを考えたのかもしれません。
    戦争なんか早く終わればいいのに。
    そんな気持ちがにじみ出ている感じのする表情の兵士達が描かれています。

    だから、クリスマスイブには、仲間で歌を歌う。

    遠くに聞こえる、言語は違うけれど同じメロディのクリスマスの歌。
    同じメロディというだけで、ルーツは同じだと思えてきます。
    同じ人間なんだと感じられます。
    だからこそ手を取り合い、クリスマスという、同じ習慣のある仲間として、ともに時間を過ごす。

    同じ人間だと知ってしまった後に、戦いに戻るのは大変つらい事だったろうと思います。
    だからこそ戦いが避けられるように尽力した人達もいたのだと知り、哀しい中にも少しだけ安らかな気持ちになれました。

    投稿日:2022/07/11

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  • 願いのこもった一冊です

    鈴木まもるさんとしては異質感のある作品です。
    タイトルの「戦争をやめた」という表現に、こめられているものを感じました。
    歴史上有名なクリスマス休戦の話です。
    以来、サッカーのワールドカップや、オリンピックの時には休戦しようという、願いのこもったメッセージが嘆かかけられます。

    どう考えても、ウクライナとロシアの戦争を意識したように思えます。
    かつての友人たちが、どうして戦わなければならないのでしょう。
    しかも、2国間の問題におさまらず、世界を分断し、地球全体の問題ともなりつつあります。
    持続可能な地球への願いはどこに行ってしまったのでしょう。

    答えの解っている問題提起のような絵本です。
    それでも、それを認めようとしない人たちが、この絵本を読んでくれたら、何かが生まれるようにも思うのですが。

    投稿日:2022/06/27

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  • 今、絶対に読んでほしい絵本。

    電車と鳥の絵本で散々お世話になってきた鈴木まもるさんが、
    戦争と平和をテーマにした本を書かれました。
    現在中学生の息子が電車を卒業し、
    戦争に興味を持ち、戦争の本をたくさん読むようになりました。
    そしてまた鈴木まもるさんの本を読むことになるとはと感慨深いです。

    第一次世界大戦中のことです。
    鉄条網を挟んで、
    ドイツ軍とイギリス軍が戦車や銃で撃ち合っていました。
    クリスマスイブの夜、
    ドイツ軍側から、クリスマスの歌が聞こえてきました。
    イギリス軍も、一緒にクリスマスの歌を歌います。
    そして、翌日のクリスマスの日。
    両軍は一緒にサッカーをしたという実話をもとに描かれた絵本です。

    相手も、愛する家族がある同じ人間であることがわかれば、
    ほんとうは戦争なんてなくなるはずなのです。
    たった一人の指導者のせいで戦争が始まるのですね。
    国民は本当は戦争なんかしたくない。
    巻き込まれているのだなと思わざるをえないお話です。

    早くウクライナに平和が訪れますように。

    投稿日:2022/06/07

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