縦長サイズの装丁が印象的な作品で、長年ずっと気になっていました。
おつきさまが、池の水面に映った自分の姿を、もう一人のおつきさまと思い、
連れて来てほしい、とつきのぼうやを使いに出すのです。
つきのぼうやといっても、姿は人間の男の子。
かごを下げて、月から空中落下するのですからびっくりです。
なるほど、だからこそ、縦長の画面が生きてくるのですね。
星を蹴飛ばしたり、ふわふわの雲から抜け落ちたり。
子どもの頃、星や雲などに触りたい!と真剣に考えていた頃の記憶が蘇りました。
なんとも優雅な空中旅行です。
そして、ついに水面に到着し、持ち帰った物が、なるほど!です。
望みの物(?)を得て、幸せそうなおつきさまの表情が見事です。
独特のタッチの画風もストーリーと相まって魅力的ですし、
表と裏の見返しに月明かりの光景はそれはそれは幻想的で素敵です。
デンマークの絵本だそうです。
やはり、名作だと思います。