私の表現力の乏しさにより、こんな名作がとってつけたような感想タイトルに見えてしまうのが悔やまれますが、全然大げさではないんです。すごくいいんです。話の流れ方が。
話を要約すると、とんだいたずら者のお坊ちゃま、ペピートが痛い目を見て改心する話なのですが、その単純ともいえる話の作り方がとてもストレートなのです。
ペピートの許しがたい残酷ないたずらも、それをいちいちフォローすることもなく、嫌な奴だから相手にしないマドレーヌ達の素直さも、実直に書かれていて気持ちいいです。
ある日いたずら者のペピートが、とんでもない事をして大怪我をするのですが、お見舞いにきたマドレーヌはぴしゃりと、「いい気味だわ。」と一喝。そしてペピートは自分のした罪を心から反省すると誓います。するとマドレーヌは「それは素敵。きっとよ。」と言います。それからは引きずる事無く、見違えるほど優しくなったペピートに対して、
「あなたは私達のお手本よ。素敵な方ね。」とまで言ってあげるのです。こんなにいいお友達ができれば、ペピートももう寂しくありませんね。
この作品が最近復刊してくれて本当に良かったです。