「いい話だ・・・」読後の第一声です。
らいおんえほんシリーズも3作目、シリーズものには「お約束」(決まったパターン)がつきものですが、らいおんの登場の仕方は3作とも違っています。わくわくしちゃう。
1作目、『ぼくが あさ めを さましたら、らいおんが となりにねていたの』2作目、『でんしゃを おりて、はまべへ でたら、らいおんが まっていた』
そして今回は『ぼくが じゃんぐるじむに のぼっていると、ぬうっと でてきたんだよ、らいおんが。』
らいおんが「ねえ、たかいたかいしてあげようか」。ジャングルジムの上でのたかいたかいはいい気持ち。あっというまに行列ができます。たかいたかいをしてあげているらいおんの表情にご注目。子どもたちの最高にうれしそうな表情との対比が楽しい。
めんどくさくなって、ついには「うおーっ!」うんうん、気持ちはわかる。
みんながびっくり、逃げて行っちゃって、公園はがらーん。ぼくとふたりきりで遊ぶらいおんの浮かない表情にもご注目。はぁ、これも大いにわかります。怒りすぎては反省してばかりの母親としては。
そこへ「らいおん、たかいたかい して」とちいさなこ。このこ、二男坊かしら。間をとりもつ存在。
「おう、いくらだってしてやるぞ」と、今度のらいおんの表情にもご注目。子どもたちとおんなじ満面の笑みです。いいねえ。
夕方のジャングルジムに、らいおんと満足しきった子どもたちのシルエット。美しい!「長新太色」(おなじみのピンクと橙色)の魅力がとびきり活きています。
「お約束」の「らいおん、また きてね」でおしまい。
この3作目までは82年の再刊で絵は描下ろしだそうですが、4作目はあるのでしょうか。
らいおんがまたきてくれることをぼくと共に願っています。