にしまきかやこさんの本は、女の子にとってとても親しみやすい位置にあるとつねづね思っていたんですが、この本もそうですよね。そして、おかあさんにあげるプレゼントのために大急ぎでごはんをたべたら顔にいろいろなものをくっつけたまま表に出てしまい、待ち構えていた動物たちに「めだまやきがはしってくる」等と思わせるというたのしい発想!そういう突飛な誤解に驚きもせずさっちゃんが「あたしのいえにいけばまだまだたくさんあるよ」と言い返すところも、暗に『やさしいあたしのおかあさんなら、この子(たち)がいきなりたずねてもきちんと迎えてくれる』という絶対の信頼が見え隠れしているように思えます。
その信頼は、最後におおかみの子が「おれのおかあさんしんじゃったんだよー」と泣くところでもまた現れます。「あたしのおかあさんかしてあげる」と言って抱っこされることを許可してあげるさっちゃん。でも、だからってさっちゃんとおかあさんの絆はもちろん揺らぐわけがない、そうさっちゃんが信じて疑わないところがかわいいですよね!