わんぱく坊主を描かせたら、福田岩緒さんがいい。大好きです。
「ぼくは一ねんせいだぞ」や「ぼくはオニじゃない」もよかったけど、これもなかなかです。
お兄ちゃんのたかしは、弟のたかしが大嫌い。
気にいらないことがあると、いつも、ゴツンとなぐってしまうのです。
お父さんやお母さんは、何かと言えば「おにいちゃんなんだから...」とそればかり。
お兄ちゃんっていったい何なの?たかしが生まれなかったら、ぼくは、お兄ちゃんになんかならなかったんだ、と思っている。
でもある日、たかしが行方不明になってしまうんですね。チンドン屋に着いていってしまったのです。あんなに嫌いだと思っていた弟だけど、「ばかなやつだ」と思うけれど、やっぱり、お兄ちゃんは弟が心配なのです。
遠足に持っていくおやつを勝手に食べたり、おもちゃを壊したり、ノートに落書きしたり、弟は確かにどうしようもないヤツだけど...たかしは何も知らないのです。悪気があってやっているんじゃなく、ただ遊んでるだけなんだということにふと気付く。
それからです。今までは、腹がたったら、何度でもたかしをたたいていたけれど、お兄ちゃんは、弟のたかしを、1回たたいて我慢できるようになったのです。どうしてなのかな、お兄ちゃんだからかな?と、ゆういちは作文に書きます。
「お兄ちゃん」の気持ちが実によく書かれていて、楽しいです。
弟をかわいがるようになりました、じゃなくて、「1回たたいて我慢できるようになった」っていうのがいいよね。
長男の主人は、これを見て、「わかる、わかる。お兄ちゃんだからって。わかるよ、その気持ち。」とひと言。
そして、娘に「なっちゃんも、お姉ちゃんだから、いっつもいろいろ我慢してるもんな。」と2人で、なぜか意気投合しているのです(^^ゞ