ちいさな たねが とん」(見返しから始まります。縦開きの絵本)
・・・(大きなお日さまのした、地面に種がひとつ落ちます)
「つちの なかの ちいさな たねが どんどこどん」
・・・(大きなお日さまに見守られて、小さな芽が出ます)
「どんどこ どんどこ」
・・・(お日さまに向かって、どんどこ大きくなります)
「どんどこ どんどこ」
・・・(曇りの日も、雨の日も、風の日も、夜も、どんどこ)
「どんどこ どんどこ」
・
・(蕾が膨らみ、大きな花が開きました)
・
「どん」
・(紙面からはみ出すくらいの、大きなひまわりの花!)
・
後ろの見返しで、ひまわりはたくさんの種を実らせ、種がぱらぱらこぼれます。
これでおしまい、ではなくて。
最初の見返しに戻ると、また新しい命がはじまる絵本なのです。
「ちいさな たねが とん」と♪
「どんどこ どんどこ」が見開きで9ページ。
その間、ひまわりがどんどこ大きくなって行き、
「どんどこ どんどこ」の文字も大きくなります。
ここまで簡潔な言葉で、壮大な自然界を伝えてしまえる。
絵本は本当に素晴らしい!と、感動しました。
実はこの絵本、作者の原稿にはもっと言葉があったのだそうです。
ひまわりの気持ち。「まけないぞ!」とか「大きくなるぞ!」とか。
その言葉を、作者と編集者が悩んで悩んで・・・淘汰された言葉が「どんどこ どんどこ」
この圧倒される迫力、無駄な説明など確かに必要ありません。
しかし、ここまで言葉を削っていくとは・・凄いことです。
表紙は、ひまわりの花。
裏表紙は、ひまわりの花の後姿。
この絵本、完璧です。