近所の自動車整備工場で、お兄さんが一所懸命自動車を修理しているのを見て、自分も絶対にそこで仕事しよう!と心に決めていたユウタくん。ある日そのお兄さん顔負けの格好をして、おかあさんに「ぼく、仕事に行ってくる」と宣言して整備工場に意気揚揚と出かけて行きます。お兄さんは、最初こそ小さなユウタくんにびっくりしてしまいますが、「危ないからあっちに行ってな」なんて一言も言わずに、ユウタくんにあれこれ用事を言いつけます(もちろん、手加減はしていますが)。用事を言いつけるだけではなく、ユウタくんに「この車、どこが悪いと思う」と意見を求めたりもします。そうやって、子供扱いされずに仕事をこなすユウタくんがなんて楽しそうなこと!
子供は子供扱いされるのを、とても嫌がりますよね。大人同志で会話していると、僕もここにいるんだ、と盛んに自己主張しますし、料理をしていれば同じように料理をしたがり、親が会社に行くと言えば、自分も電車に乗って会社に行って仕事をすると言います。大人はつい、子供は子供らしく、なんて平気で言ってしまいますが、子供は大人と一緒にいろんなことをやりたいんですよね。日頃、つい「危ないからあっち行っていなさい」と言ってしまう自分を反省しました。できそうなことはどんどんやってもらった方が、子供は自分が役に立ってうれしい、大人も手伝ってもらっていてうれしい。そうしたうれしさを忙しさにかまけて大人は忘れがちなんですね。
最後に、車を直し終わったユウタくんとお兄さんは、冷たいお水で乾杯します。本当に美味しいお水だったと思います。