最初の1ページ目から、主婦の私はとても共感を覚えました。
そうそう、私もこのお母さんと同じで、色々な応募シールをためては、
せっせと応募しているし、これまた何に応募したかなんて忘れてしまって、
でも、私の場合は全然当たらないんですけれどね...
「春になったらあけてください」なんて、なんて洒落た当選品なんでしょう!
そして、その言葉から缶の中味を想像する“ぼく”と“お父さん”が最高だし、
じっと春になるのを書かれている通りに待つのも、とても好感がもてました。
さらに、あんなに盛り上がったのに、やっぱり時と共に缶の存在を忘れちゃう
なんて、あまりのそのありがちさに微笑ましく思いました。
そして、何よりも、ここまで缶の中味を明かさないで、読者の興味を持続
させるのがすごいです! しかも、缶の中味の素敵なこと!
息子も興味津々に聞いていて、最後の缶の中味にちょっと驚いたようでした。
息子が想像していたのは、主人公の男の子の想像と同じで、フルーツか
おもちゃだと思ったそうです。それって、自分が欲しい物じゃないの?!
普通の生活に着眼して、こんな素敵な話を考えた作者さんの次の作品を
読んでみたいな。これがプロじゃない人が書いただなんて、信じられません!
是非是非、読んでみてください。い〜な〜この話ってきっと思いますよ!