1995年刊行。
貴重なコレクターアイテムの「テレホンカード」をめぐって、ゾロリ一家と、コレクターの攻防戦。
忍者学校も経営が大変らしく、無料体験入学やPR看板の工夫など、いろんな企業努力が見られて泣ける。(嘘)
マニアが大金をはたいて欲しがる貴重なアイテムを、何故かゾロリたちが持っているという謎の展開が愉快だ。強運の持ち主で、頭も運動神経もよく、仲間を大切にする愛情もあるのに、そのすべての才能をろくなことに使わない。徹底している。
忍者もコレクターも、曲者揃いで、悪知恵の攻防戦がテンポよく展開していくのが楽しい。騙し、騙され。類は友を呼ぶ。
友達にはなりたくないタイプばかり登場する。読者で良かった、この本の中に登場する人物でなくて良かった。
そんなふうにして、このシリーズは楽しくて、笑えて、ちょっと考えさせられて、「普通な地味な生活」がいかに素晴らしいかがよくわかるというおまけまでついてくる。
私の分までやりたい放題、悪さをしてくれるゾロリたち。
ありがとう。
あの「オチ」には、考えさせられた。恐れ入りました。