とても文章の短い絵本でした。女の子が眠れないとある夜、窓の外から入ってきた風に誘われて、屋上へ行き、そこで心地よい眠りに落ちるという、とても至極簡単な話なのですが、とてもおしゃれな雰囲気が漂った絵本でした。
ああ、こんな風に人目を気にせず、屋上で眠ってみたいなと、思わされます。読んでいるだけで、屋上でそよぐ優しい夜風すら感じられました。
都会の片隅の日常を断片的に描いているのですが、ああ、外国ではこんな小さいうちから、そう言えば自分の部屋で眠っているんだったなぁとか、でも、お母さんやお父さんは、ちゃんと子供たちの声が聞こえるように各ドアを少しずつ開けているんだなとか、そんな文化的なことも描かれているし、やはりお母さんという存在は、子供をそっと見守っているのねと再認識させられたりと、とにかく、静けさのなかにある心地よさを感じられる本でした。
小さな子にはあまり良さが分からないかもしれませんが、私はとても気に入りました。特に、女の子のタンスの引き出しから洋服がはみ出ているところとかも、細かい日常がさらっと描かれていて好きです。でも、シーツを夜中に干しっぱなしってのはちょっと驚きましたが...