とりごえ まりさんの作品だったので読んでみました。
まさか、こんなに奥深い内容の作品だとは夢にも思わなかったというのが最初の読後感です。
ここは インドの ダラムサラむら。
ぼくは おとうとと あのやまを こえて、ここにやってきた。
あのやまとは、ヒマラヤ山脈。
国内紛争のために、両親を失い、チベットからインドへ逃れてきた兄弟の話です。
険しいヒマラヤの山を1〜2ヶ月もかけて越えるうち、何人もの子供たちは命を失ったという現実。
そんな子供たちが寄宿舎で過ごす姿を克明に描いています。
ぼくは、まだ9歳。
そのぼくの心の叫びは、心の琴線に触れること間違いありません。
兄として弟を思いやる気持ちも、崇高なもの。
家族が一緒に暮らすという当たり前の幸せを、再度認識させてくれる、そんな絵本です。
あとがきに、
「そうした子どもたちの存在を一人でも多くの人に伝えたくて、私は本書を執筆した」
とありました。
英文も併記してあり、多くの人に読んで欲しい作品としてオススメします。