モンゴルの都市部に住む公務員の一家の食事と、草原にゲル(移動式の住居、天幕)を構えて遊牧を行う人たちの食事が両方紹介されている。
「赤い食べ物(肉類)」と「白い食べ物(乳製品)」が基本。野菜や小麦は貴重品。遊牧に適した家畜(牛、羊、らくだ、ヤギ、馬)と、適さない家畜(豚、鶏)があり、モンゴルでは長期間の移動ができ、粗食に耐え、利用価値が高い動物が主要な家畜(五畜)といわれ大切にされている。肉を干して、乳はチーズなどに加工して、保存食として利用していて無駄がない。
知らないことがたくさんあって、いろいろ勉強になって面白い。モンゴルの印象は草原を遊牧する民族というものだったが、今は、都市部で定住する人も多いという。もともと遊牧していたことと、国土で農業ができる場所が少ないためか、あまり野菜を取る習慣がないようだが、お茶や乳製品などで栄養は大丈夫らしい。
一見質素に見えるが、なかなか豊かな食事だ。巻末には名物料理のボーズなどの作り方も乗っていて、さらに丁寧な解説もあり、大人でも十分読み応えのある内容になっている。
イラストのモンゴル人がほとんど全員、エラが張っていて目が細くて、いかにも歯が丈夫そうな、健康そうな感じに描かれているのが、面白かった。細身の人がいないので、デブの私は安心して(笑)見ていられる絵本でした。
昭和レトロっぽい魔法瓶や小物があり、なんだかほっとする雰囲気にも癒されました。その辺から、妙に親近感がもてました、モンゴルに。