秋田の昔話だそうです。
やまんばのにしき、で知っていたおはなしでした。
月見をしていた村に、突然の雷雨。
最初からスリリングな幕開けです。
なんでも、ちょうふく山のやまんばが子を産んだので、餅をついてもってこい、だと。
そこで、70過ぎのあかざばんばが届けに行くのですね。
当時だと相当高齢のばんばの「村のために」の行動に感動です。
いざ、対峙したやまんばは、案外穏やかで、
がらという子どもも怪力ですが、なかなかいい子です。
かくして、産後の手伝いをすることになったばんば。
こんなエピソードが盛り込まれていることに、ほっこりします。
お土産に持たされたのが、切っても切っても長いままの錦。
昔話語りの中で、鮮やかな色彩が目に浮かびます。
長谷川摂子さんの再話は、このやまんば親子に焦点が置かれているのでしょう。
その親子像も素敵です。