100メートルを4人の走者がバトンでつなぐ4継。
100メートルに自分の生き方を凝縮させるアスリートが個人種目ではなく、バトンをつないでいく団体競技。
トラックで行われる究極の駅伝。
その日本代表の4人プラス1人にスポットを当てたノンフィクションです。
ノンフィクションでありながら、とてもドラマチックな仕立てです。
長距離を走る駅伝には、精神的な葛藤だとか心の動きがつきものですが、わずか10秒足らずの精神力集中の中に、走者はいろいろな思いを込めるのですね。
それぞれにあこがれだったアスリートの内面に食い込んだ話。
レースを文章で再現させる凄さ。
個人の生い立ちまでを描き切って、とてもさわやかに読み終えることができました。
小中学生から青少年まで陸上競技場は晴れ晴れしい舞台だと感じます。
佐藤多佳子さんの目は優しく、鋭く、人間性にあふれています。
みずみずしい青少年ノンフィクション。