「あせらない あせらない 楽しみは後に取っておくもんだ。」
素晴らしいポリシーに貫かれたカメの家族。
久々に山に遠足に行くのに、なんとまあ気の長いことか。
遠足を知らない子どもに説明するのに一日。
場所を決めるのに一日。
遠足の準備をするのに一日。
準備体操に一日。
何事をするにも、一日が終わってしまって、あとは翌日にしようというのです。
こんな展開が淡々と続きます。
「楽しみは後に取っておくもんだ」と、子どもの期待を一日一日と先延ばしにしている自分自身に似ていてちょっと苦笑い。
それにしても、このまったり感。
読んでいる方も、イライラしてくるとしたらこのお話についていけません。
山の頂で食事しようとしたら、缶切りを忘れていたことに気付いて、息子は缶切りを取りに家に戻ります。
妙にせっかちになっている自分が、カメさんたちに諭されたように思いました。